7月、京都の蒸し暑い夏がやって来ました!オフィスの外ではセミが元気に鳴いています。
さて、先日開催したベンガラ染めW Sを様子をブログに書きました。是非お読みください。
yinyang のofficeはベンガラ染めに理想的な場所。
染めるための広いスペース、井戸水、太陽の下で干せる空間、全てが揃っています。とっても暑い日でしたが、水で染めるベンガラ染めには気持ちの良いお天気です。
講師は、ベンガラ染料メーカー「古色の美」の小渕ユタカさんです。5月にスタッフAzusaとSonokoが基礎講座でお世話になりました。その時のブログはこちら
初めにベンガラの成り立ちについて学びます。昔はベンガラを鳥居や建物に使っていたそうです。一度塗ったメンテナンスでは木を洗ってから、防カビ防虫効果のためにベンガラを塗ります。家の窓枠にも塗りたいなとワクワクしてきました。
材料の一つに、生駒の土があります。
生駒山の地下300メートルからお水と一緒に汲み上げられた副産物で、ドロドロになりながら土を貰いに行くそうです。乾かして、すり鉢で擦るのは大変だけど質が良く、古代の記憶のある土が大阪湾に沈むのはもったいないからとおっしゃっていました。
化学の授業みたいな実験が始まりました。「あっという間に変わるんで良く見ててくださいね」と小渕さん。フライパンに黄色い土を入れて熱すると数秒で赤味を帯びてきます。火を止めると、濃い赤が現れました。
乳鉢に入れて空気に触れさせるとさらに濃くなります。
焼くことで分子の形が変わり、光の屈折度が変わり、色の見え方が変わります。色は光とともに存在します。温度の違いでいろんな形の分子になり、一つの材料で何通りもの色ができるのです。
ベンガラには防虫効果のほか、紫外線カット効果があるそうで、ベンガラ染めのカーテンは部屋の温度が下がるとか!今年は暑そうなので是非染めてみたいです。ベビーカーの日除けや、車の窓にも良さそうだなと思いました。
今回持ってきていただいたのは基本の8色
これらの色を組み合わせると自分好みの色が作れます。黒っぽい“古色”や乳白色の“胡粉”、藍を混ぜると深みが出て個性的な色になります。単色染、グラデーションやむら染めの仕方を手ぬぐいを使って教えて頂きました。
いよいよ実践です。綺麗に染めるためには水洗いや脱水、下漬けが大切なポイント、丁寧に下準備をすることでムラや色が流れるのが防げます。色を作り、染めていきます。初めは探り探りでしたが、あっという間に慣れてきて大胆に染めていました。
何色もの色を混ぜて深みを出すMaayaを見ていたら、魔法使いが灰色の世界に色をつけるお話「いろいろへんないろのはじまり」という絵本アーノルド・ローベル作を思い出しました。昔は今ほど色が溢れていなかったのかもしれません。
濃い赤を出したいと赤の探求をする赤チーム。
モノトーングレーや 水色のトーンのバリエーションはMaayaの妹Nina作
シックな色合いのスッキリしたウェアが完成していました。
絞りを研究中。畳み方で柄が変わります
染め方にこだわってグラデーションやムラ染で染め重ねる方
冷んやりした色とりどりの水に癒されながらたくさんの個性的なアップサイクルウェアが染め上がりました。
天日干ししてからアイロンや乾燥機で熱を加えると色が定着します。量が多かったので外でカラッと乾かしてお隣のコインランドリーで6分間乾燥機にかけました。 熱に強いのもベンガラ染の良いところです。
古色の美のコンセプトは「暮らしの中の染色」
参加者の皆さんはさっそくお家で染めていて、私たちの暮らしにベンガラ染めが溶け込みました。
☆いただいた感想を紹介します☆
好みにぴったりにできたのが嬉しくて、部屋に飾りました
お出かけしたりヨガしたり、毎日着ています
白いものを見ると染めたくなります(笑)
ヨガウェアやTシャツをさっそく染め直しました
念のため手洗いしたのですが、全く色落ちしなくてびっくりしました。
白や淡色の服もシミになったら染めたらいいかなと気楽です。
私は、今回で3回目のベンガラ染めですが、なんとなくコツやタイミングなどがを感じられるようになりました。次回は呼吸するようにリラックスして染めたいなとイメージ中です。
染め上がったウェアはyinyangオフィスで展示中です。コットン、リネン、リサイクルポリ、5年以上前のウェアも染めました。ぜひ手にとってご覧いただきたいです。
そして、ベンガラ泥染め3色セットを近日中に販売開始します。混ぜたら何通りもの色が作れます。説明書付きなので誰でも簡単に染められます。初めての方にはリネン生地がオススメです。
どの曜日にもW Sに参加したスタッフがいるので、お気軽にご質問くださいね♪
今回参加された方からも参加できなかった方からも、また開催してほしいとの声をたくさん頂いています。すこし涼しくなった9月、10月ごろに計画したいと思います。
それではみなさま良い夏をお過ごしください。 文 Staff Sonoko