Yinyang AMBASSADORS

JUNKO SAITO 齋藤 純子
ハタヨガインストラクター

お金を出せばなんでも手に入る今、敢えてお金に頼らず、完成品を紐解き、一から取り組んでみることは、時間と手間を要する作業である以上に、贅沢なコト・プロセスだと、里山に越してから実感することが増えました

紐解けるということは、そこには一つ一つの工程があり、それは自ずと手作業になるわけで、シンプル、かつ、それはナチュラルなものが比較的多いと思います

そう考えると、この手仕事というのは、古い様で実は今の時代にマッチした”最先端”なのではないでしょうか

しかも、それを皆でするのなら、手を動かすことは単なる作業にとどまらず、あゝだこうだと”良い加減”の会話も楽しく、共有した時間と達成感のシェアができます

これはヨガのクラスでも同じで、皆でヨガすることはヨガ以上の何かを生み、それをシェアする楽しさがあります

最近、それを味わったのが稲刈り
稲を掴んでカマで刈るには、かなり屈まないといけない、つまり重労働
終わったらヨガしよう!と、心で強く思いながら作業開始
したたる汗を拭いながら、顔をあげれば仲間がいて、会話も弾み、干される稲が増していく様子に励まされました
こう考えると、過疎化・高齢化する農家さんが、機材を使わざるを得ないのも、致し方ないのかとつくづく思います

とうに手伝いに飽きた子供たちが、田んぼの周りを駆け回っています
親が働く姿を横目に、待ちぼうけしながら、何もない空間で遊びを見つけることも、子供にとって非常に大切な気がしました
一石二鳥!
素朴で昭和な光景に、心癒された一日でした

そして、切り繭体験
京都西陣に14代続く織元さんのWSに参加させていただきました
伝統と高級織物
これだけ聞くと敷居が高いイメージですが、これもオーナーさんのお人柄、理念を知ることで、無料で体験させていただけることの意味があとで分かりました

桑の葉を存分に食べたお蚕さんが、自ら吐き出した糸で寝床「繭」を作ります
蛾になる前の早い段階で、この繭の上部をカッターで切り、中から眠っているサナギを取り出す作業が切り繭です

この空になった繭を解くと、繊維は約1000mの長さだそう

お蚕さんの驚異に触れながら、計150匹ほどのサナギを取り出しているうちに、虫が苦手だったはずの私はすっかりお蚕ワールドに引き込まれていました

まん丸と太った姿が可愛いく、来春には育ててみたいと思います

たった一日、一つの工程だけの体験ですが、絹の素晴らしさ、絹糸作りの奥深さをもっと知りたくなりました

偶然ですが、日本の象徴である天皇家に継承されるお役目の二つが、稲作と養蚕でしたね
日本が衣食で何を大切にしてきたか、そして、これを継承していくことで何が保たれるのか、勝手ながらメッセージを感じます

環境や生き物へ敬意を払うことは、地球に住む人間のあるべき姿だと改めて感じた一日でした

そして、同じ想いで作られるyin yangウェアがますます好きになりました

約8年ほど前に「何かを作りたいけど、服・モノで溢れる今、これ以上作りたくない」と試行錯誤していた、今や押しも押されぬ人気ヨガインストラクター野村賢吾さん
彼は今、ヨガとは別にシルクスクリーンとDJでも大活躍しています

すでに持っているモノを、彼のクリエイティブなデザインで輝かせ、彼の選りすぐった音源で心地よい空間を作り出す、まさに環境に配慮し、自然と調和したアイデアに光が射したというわけです

何かをするとき、それは自然に調和していることなのかをどうかが、今後ハズせない基準となるように思います