昨日、TAMISA三条寺町スタジオで開催されたnaked market cityの後にVeg Out シネマの第三回が開催されました。
映画の内容は、「気候戦士~クライメート・ウォーリアーズ~」、その後のトークセッションは「Z世代と考える環境問題のこれから」

今回のゲストスピーカーには、自分で育てて採れた野菜を使って料理を作る現役大学生のSHUNKIくん、
そしてBRUSH THE EARTH を立ち上げた現役中学生のサラとリタに来てもらい
そんな彼らにVeg Outディレクターの雄一さんがインタビュー形式でトークをすすめていったシネマのトークセッション。


映画はパリ条約から脱退したアメリカの前大統領トランプ氏の演説から始まる。
ドイツやアメリカの活動家の力強い訴えや、働きかけのシーンがフィーチャーされ、とても見応えのある映画だった。


自分と一回りも二回りも若い世代の子たちと一緒に考え、彼らの視点で捉え考える地球環境問題。
すごくフレッシュで、新しく、それぞれの世代が生きていく中で受ける社会の影響だったり、その時代にあるものや象徴されるものベースが私たち30代とは全く違う。
そんな彼らの視点で展開されるトークに、私は感嘆の声が漏れまくりの30分。

まずは映画の感想とそれぞれが環境問題に関心を持ったきっかけや活動動機について。

12歳のリタは小学1年生の頃からベジタリアンとなり、お肉をやめる = 環境問題に繋がる というのをなんとなく感じていた
そしていろんな話を聞いたり、自分で調べたりするうちに、その感覚が確信に変わる。
そして近くにいるサラも環境問題に興味があることが分かったので、一緒にBRUSH THE EARTHの活動を始めたとのこと。
また母親マーヤが月に2回、ヨガスタジオTAMISAで主催するプラスチックパッケージフリーのマーケット、naked marketにてupサイクルしたアクセサリーも販売しているリタ。
このアクセサリーがまたセンス抜群で、彼女のクリエイティブなアイデアとインスピレーションには脱帽してしまいます。

一緒に活動するサラは、京田辺市のクリーンアップ京田辺で川沿いのゴミ拾いの活動を始める。
その後クラスの環境係に入り、クラスのメンバーとまたゴミ拾いを企画し、活動を行っていると道行く知らない人から「ありがとう」と言葉をかけてもらったり、ジュースをいただいたりして、楽しいなと思った。
現在はクラスの女子6人と一緒にリサイクルショップ hand to handという名前をつけたイベント活動をしているとのこと。

そしてプラントベースの暮らしを実践するSHUNKIくんは、大学生になり一人暮らしをはじめ、自分で食べるものを選ぶようになり、病気になると親も心配するので、食べ物に気をつけ体に良いものを食べようと調べていく中でヴィーガンにいきついたそうだ。
無農薬で安全なものを自分で作れたらな…と思っていたらご縁で畑が借りれることに。
環境問題に対して知識のない人も、自身が出店したりイベントをすることで同世代のみんなに、「あれ?肉も卵も出てこない?!」でも楽しそうなことをしているな~と興味を持ってほしい。

彼もサラと同様に “ 楽しい “ がそれぞれの活動のモチベーションになっている。
人からの感謝の言葉だったり、自分の中から湧いてくる楽しいという感覚は、物事を継続していく上でわたしたち人間にとって必要なものなんだなと実感した。

そして今海外では肉を食べている方がダサいと言われたり、
スタンダードがサステイナブルにシフトしてきている。
逆にそうじゃないと生き残っていけない。
そんな考え方に変わると大きく変わるんじゃないかな。というSHUNKIくんの言葉が印象的でした。

スタンダードがサステイナブルになる = 自分だけが良い、他者より優れている。競争や比較をすることで、人より優位に立ったり、社会的な評価や地位、名誉を求めていたらまずこの考えかたは生まれないだろうなと思った。
持続可能な地球を望むということは、自分の命を大切に、そして他者との関係性、自然など、他の命を大切に思いやるからこそ生まれる考え方ではないだろうか。

そんな価値観がすでにベースにある彼ら。
素晴らしいなと思うと同時に、今現在、大きな転換期にいるんだなと感じました。

なお現在ドイツやヨーロッパの国々では6人に1人がビーガンだと言われているそうだ。
また日本でもVeg Outを訪れる10代、20代の若い世代が環境やエシカルについて話していることが多く、みんなの意識が環境問題に向いているのがそのうち普通となる社会が間も無くやってくるんだなという印象を受けた。

日本で活動する環境活動家の女性は、環境活動家が世界からいなくなってほしいから活動すると。
地球環境のことを考えるのが当たり前になると活動家を名乗る必要がなくなる。

まさに新しい時代の幕開けを肌で感じる。

最後に彼らが望むこれからの世界について話してくれた。

SHUNKI くんは幸福度の高い世界になって欲しいと。
人生の中で何を得たかより何を残したか。自分が死んだ後に何が残っているか。
自分がいなくなった後にボロボロの地球を残して自分の人生に価値があったと言えるのか?
みんなが幸せになれる世界をトライ & エラーを繰り返し作る実験。 失敗も残して、自分より若い世代に同じ失敗をしないようにしてもらいたい。
親の世代が頑張ってくれたから今豊かで、ものがたくさん手に入るようになった。
過去の恩恵を受け入れ、今できることをする。

サラは一人一人がしっかり考える世の中になって欲しい。
いろんな情報がすぐに入ってくるような世の中になってほしい
そしてみんなが調べて知っていく。
知らないからゴミを捨てるし、わたしたちはいろんなことをする。

まずは知ることからその全てが始まるなと。

リタも楽しくて明るい未来がいい。
自分のことと他の生き物に優しくできる世界になってほしい。

3人とも自分と他の誰かの幸せを望み、地球への優しさを大いに感じさせてくれる。
とても心があたたかくなるトークセッションだった。

3人の緊張をほぐし、優しく話をリードしてくれる雄一さんの引き出しの多さとまとめ方はさすがでした!

パリ協定に再加入したアメリカ。
2050年までにCO2を半減させる。
脱炭素社会、カーボンニュートラル。
今真剣に取り組まないと地球の温度が1.5度プラスになってしまう。

経済活動がストップしている今は実はCO2が減っているという事実があり、
コロナ禍の今が変わるチャンスともされている。
リミットが迫っている今、わたしたちには何ができるのか。
わたしたちもヨーロッパ同様にグリーンリカバリーを選択することはできるのか。

日本のCO2の90%はいまだ石油・石炭燃料に頼っているのが現状だ。
国の経済をリカバリーさせながら、CO2を削減させるという取り組みは望むべきところであるが、実際そうしていくのは難しい。
そうなった時、やはりわたしたちは個人単位でアクションを起こしていく必要性がある。
結局のところ、映画のシーンでも言われていた個人の草の根活動が大きな海を作る。

セッションのしめは雄一さんから日々の暮らしを見直すヒントをいただき、無事お開きとなりました。
その中でまず、簡単に見直せるのが電気だと雄一さん。
電力会社を地球環境に優しい電力会社に変更したり、電気の使用量を抑える。
またお肉を控えることで家畜の餌を作る畑ではなく、農作物を作る田畑を維持することができ、必要な量の水を使用して農耕を行う。
そんなシンプルな選択で、無理なく地球に優しいアクションを起こすことができる。

Z世代の3人は、それ以降の世代のことも考え明るい未来を一緒に考えていけたらと話していました。
最後の最後まで、隣の生命への配慮と優しさを感じる3人の凜とした姿が本当に眩しかったな。
日本のこれからは明るいし、世代を越えて、楽しく一緒に環境問題へのアクションを起こしていければ…そう実感した夜でした。

本当に良い刺激となる素晴らしいトークセッションをありがとうございました。

Azusa